企画展 レポート 生き物に学び、くらしに活かす ―博物館とバイオミメティクス 講演 「鳥の色のバイオミメティクス」 山階鳥類研究所の 森本 元 先生 国立科学博物館(東京・上野)
今回の企画展では、4月23日と5月21日に、各コーナーを担当された先生方による講演が行われた。その中で5月21日に行われた、講演会を取材することが出来たのでその内容を紹介していこう。講師は、企画展で「海洋生物とバイオミメティクス」を担当された、国立科学博物館 動物研究部 篠原 現人先生と、「鳥の色のバイオミメティクス」を担当された山階鳥類研究所の 森本 元 先生。
今回の企画展で「鳥の色のバイオミメティクス」のコーナーで構造色分野を担当された山階鳥類研究所の森本 元 先生が次に登壇された。
山階鳥類研究所の 森本 元 先生は生態学、行動学、および、発色や羽毛組織に関する研究。とくに、都市鳥類及び高山性鳥類の生態や、鳥類の構造色に関する研究をされ、バイオミメティクスに関しては、羽毛機能の研究をされている。本講演会では、鳥から何を学べるか、飛翔と視覚についてお話いただいた後、展示されていた構造色分野の解説をきくことができた。とくに鳥の色覚の特徴と、鳥の色の発色メカニズムは大変興味深かった。そんな講演の内容を紹介いく。

「普段の生活の中で応用しているバイオミメティクスとはなにか。」「鳥から模倣し使えるものはなにか、鳥から何を学べるのかはなしていきます。」「人間より鳥の方が優れているところがいっぱいあります。環境にやさしく、いろんな自然と共生して生きているわけですから、まだまだ学ぶところがいっぱいある。」
「飛ぶことに関連しては、先ほどはなしたセレーションのことや、からだに鮮やかな色がついている。さらに、運動というのもあります。」「その中でも鳥にかかわることで、ぱっと思い付くキーワードはこの3つです。」
「色と、羽毛と眼でこれが重要な役割を果たします。」
「色のはなしの前に、鳥の最大の特徴である飛ぶというところからはなしをさせていただきます。」
「今回の展示もでも出しているように、鳥の特徴はツバサをぱたぱたと羽ばたいて飛ぶ羽ばたき飛翔と呼ばれるものです。」
「それに対して、私たち人間社会で利用している飛行機は、滑空飛翔とよばれているもので、固定された翼にプロペラやジェットエンジンでもよいのですが推進力を与えると、そのいきおいで翼面の上下で圧力の差がうまれて飛ぶというものです。」
「これは動力がないと飛べないし、ヘリコプターはおおきな音がするわけです。」
「それに対して鳥たちはどうしているかというと、ぱたぱたと羽ばたかせて飛んでいて、後ろで飛んでいてもわからないですね。」

「で、そのような技術を応用できないか、ということで今回はハチドリのロボットを展示しています。こういった飛び方の特徴としては静かであることに加えて省エネである。」
「それと海洋生物のコーナーでも、魚の群れからまねて作ったぶつからないロボットがありましたが、鳥たちも空でぶつからないような動きを人間社会にも応用できなか。」「また、私たちが空からものを運ぼうとすると、ヘリコプターのようにいったん空でヘリを止めて、荷物にロープを垂らし結び付けの作業をし、持ち上げなければならない。」
「しかし、鳥はそんなことしません。」
「今回展示している映像の中に海外の研究ですが鳥の足をまねて、空中でものをつかむなど、行動に関する研究が行われています。」「このようなことが、鳥から学んだバイオミメティクスといえます。」
「鳥から学び人間が一番利用している空を飛ぶ飛行機は実用化されています。」
「他にも、まちの看板では、時間がたって退色し色がぬけていくが、構造色はあのようなものにも強いんです。」
「電子顕微鏡でないと見えないナノスケールの細かな構造によって色が出ている、色素を使わない色です。」「色素の場合は色の成分が壊れてしまいそれで色は出なくなってしまう。」
「構造色の場合は構造さえ残っていれば、そこに使っているそのものの色は関係ない、それゆえに色が残っていたりします。」

「例えば虫の場合は餌をそばに置いておいてもなかなか食べてくれない。でもそばまでいって餌をみつけるとパクパク食べる。」「でも鳥の場合は、10m先にいる小さな虫を捕まえて食べたりする。それぐらい目がいい。」「他にも空を飛んでいる猛禽類が、何十メートル、何百メートル先の餌をめがけて飛んで獲物をとらえる。」「食べるだけではなくタカとハトの喰う食われる関係を示したものを見ると、ハトが1羽でいるとき、タカが狙いを定めて仕留めて食べることができる成功確率が80%ぐらい、それがハトの群れが増えれば増えるほど周囲に見張る仲間が増えるので、タカによるハトを仕留める成功率が下がっていきます。」

「このように眼がいいことで仲間と協力して1羽だと1方向しか見えないものでも何羽もいれば四方八方見ることができ、敵を見つけて早く逃げることもできる。」「その際に群れが大きいほど遠くのタカを見つけて、1羽だと近くまで来ても気づかないのに、群れが大きいと30mだとか40mだとか先にいるときに気づいて逃げることができる。」「まさに非常に、優れた視力を生活に生かしていることがわかります。」
「色に対しても非常に優れた能力を持っています。眼がよく色を見ているということは。鳥の色にはさまざまなは色があり、他の生き物より鮮やかな色をもっている生き物だといえます」

「つまり人間が3つで見ているものを4つで見ているので眼がいいということになる。」
「では、そもそも色とはなんでしょう。」
「中学校の理科の授業でやったと思いますが、太陽から出たいわいる、電磁波の波長は、短い波長から長い波長があります。その中で特定の範囲のものを光と呼んでいるわけです」。

「波長にはいろいろなものがあります。私たちの眼は、ある範囲、具体的には400nmから700nmの波長には反応しますが、それ以外には反応しないません。」「で、その700nmより長い波長を赤外線と呼んで、そこからは私たちは見ることが出来ません。逆に400nmよりも短い波長のものを紫外線と呼んでいます。」
「これらは私たちには見ることが出来ないものです。でもその光を生き物はいろいろ利用しています。植物は栄養分を作ります。太陽からいろんな波長の光が、
葉っぱに当たると、葉っぱにある色素に一部の光が吸収され、吸収しない波長は、はね返って反射されます。」
「それが、私たちの眼には見えて葉っぱが緑に見える。」「テレビは人間の3原色に反応する視細胞をうまく利用した道具です。」「テレビの液晶画面を虫眼鏡で拡大してみてください。」「するとこのようになっています。」「まさにRGBの点がいっぱい並んでいます。この点の一部を光らせることでテレビ画面の映像を作り出しているわけです。」
「さてここまでが色の基本のはなしでした。」

「色のチャート表がありますが、人は3原色なのでこのように見えますが、同じようなものを鳥で描こうとすると、1つ軸が増えるので立体的に描かならなければならず立体的にしか図示できない。」
「人間には見えているものでも鳥では、プラス1軸、紫外線という軸が加わった、私たちが見えない色を彼らは見ている。つまり、人間よりもたくさんの情報をもっている。」
「このように人よりもたくさんの色を見ているうえに、人よりも広い範囲の色が見えているわけで、可視領域が広いだけではなく、色空間が大きいということで、全然違う世界で生きている。」

「と、いうことを理解してもらえたらと思っています。」
「それを利用して鳥は何をしているかというと、これはある実験のデータなのですが、タカの仲間はネズミを捉えますが、ネズミの尿は紫外線を反射するんです。」
「で、この研究をした人は何をしたかというと、こんな実験をしました。ある餌場にはネズミの尿をまいて、ある餌場には、尿の代わりに水をまいた、そうするとタカはこれを尾行し、狩りをしているという証明のデータがとれました。」
「紫外線が見えている、鳥は狩りをするためにその見えているものを使っているということです。」

「他にも似たような例として、アオガラという日本にいるシジュウカラの仲間ですがオスとメスがそっくりです。でも、オスの方が紫外線の反射が強く、メスの紫外線の反射が弱いのです。人間には雌雄同じに見えていたものが、鳥には全然違う色に見えているというわけです。」
「実際いろいろ調べてみると、紫外線の反射が強い派手なおす、紫外色というべきものなのでしょうね、赤色青色みたいな紫外線の色、紫外色が強い濃いオスは、メスにもてていました。紫外線反射量がおおい個体ですね、メスを繁殖相手に選んでいたという研究結果もあります。」
「でも年齢のいたオスは青色の成分に山がある波形を示します。」

「じゃあこれがなにに影響を与えるかということですね、ルリビタキのけんかはこのようになります。」
「人間でいうと、脅す状態から、激しくなると追いかけまわす状態になります、そしてそれがさらに激しくなると、つかみかかってつつきあい体が触れあう直接的なけんかになります。」
「で、このけんかは、色が違うとちがいました。下が、これは茶色どうしのけんか、真ん中が違う色、青い色と茶色のけんか、青い色と青い色とのけんか、そうするとですね、こんな結果になりました。」

「けんかをする種類別に、縄張りで起こるけんかの回数を調べてみると、同じ色どうしだと殴りあいまで行ってしますことが相当多かったですね。」
「怒鳴りあうけんかが、殴り合いまでいってしまうケースが多かったのです。」
「しかし、違う色、どうしの場合は、真ん中のですね。違う結果になる場合がおおいです。追いかけあうだけの中途半端な場合が多かった。」

「これはいろいろ解釈があるありますが、強いものと弱いものと勝敗が、初めからわかっているものどうしの場合では、とりあえずけんかみたいなことは、あるけれども。戦っても強いやつは、弱いやつをとけんかしても体力を使うだけで損するだけだし、しかもけがをするかもしれない。」
「弱い方は弱い方でけんかに負けるだけで損しかしない、ということであれれば、けんかした事実だけ作って、僕らの縄張りの境界線はこの辺だよね、ということを中途半端なけんかでも決められるから、お互い得だよねということだよね、ということだと考えられています。」
「このように構造色があるかないかでけんかの違いにも違いが出てくる。なんていうふうに、実は鳥たちは、色の違いとかですね、自分が見ている餌をとるとか、自分たちの生態を絡めて有効に使っているそんな中で生活していることが分かってきています。」

その鳥のからだの特徴を具体的に見てみると、眼が非常に大きい頭が眼みたいな生き物です。解剖してみると、これが人間の頭蓋骨なでが、どうですか、頭の大きさのわりに眼のバランスを見てほしいのですけれども、ほとんど眼です。
人間は眼球を動かせますけれども鳥は眼球を動かとこは見たことがないですよね、鳥はどうするかというと実は、頭ごと動かすので、頭が眼。という生き物です。
なので、鳥をどんな生き物かを1枚の絵で表すとこんな感じです。頭がカメラみたいなですね、頭が眼玉みたいなやつが、羽根をつけて空を飛びながら、人間には見えないですね、凄いいろんな色を見て、じろじろ見ながら餌を取ったりしているといえますね。

「10年ほど前になるでしょうか、宇都宮大学に杉田先生がつくり、杉並区で採用された黄色いごみ袋があります。」「これは何かというと、カラスがごみを荒らして大変だということで作ったもので、この半透明のごみ袋は人間には透けて見えていますが、カラスには見えず、荒らさされない袋です。」
「これはさきほど話した視覚を利用したものですね。」

「眼の能力、視覚、感受性、センサーの性能は、人間よりもいいわけです。ただ人間の眼よりもいいということは、いろんな色が見えていて、眼の反応する感度、ピーク、どの波長で反応するかも違います。」
「人間の眼ではちょうど、その色ではないけれども、鳥にはちょうどその色になるような、波長をうまく選んで鳥には向こう側が見えない袋ができてしまうわけです。」
「このようにして鳥の眼の良さを逆手に取って、人間には半透明に見えるけれども、鳥には見えない袋を作っている。これはまさに、鳥の眼の見える色をいかしたバイミメティクスといえます。」

「一つ目は、カルチノイド系色素でおもに赤系の色がでています。」「もう一つがメラニン色素、これは私たちの髪の毛の黒いメラニンですけれどもそれと同じ色です。それと、最後に今回中心に紹介いている構造色。」「これはなにかというと、色素に頼らない色。」
「羽はどんな構造をしているかというと決まった構造がある、真ん中に羽軸という木の幹みたいなものがある。」
「そこから一本一本繊維が出ていますよね。この一本一本の繊維のことを、木の枝みたいなもので羽枝と呼ばれるものです。」
「羽軸に対して木の幹の羽枝という太い枝が出ているわけです。」「さらにそこから小羽枝と呼ばれる小さな枝が出ている。」

「羽軸、羽枝、小羽枝、みき、枝、小枝、という3段階の構造、これはどの鳥の羽にも共通する構造。」「それぞれの中に、色素が入っていたり、構造色を発する微細構造が入っていたりします。」
「この共通の構造を持って鳥は、水中から空まですべてに適応した、しかも寒いとことから暖かいところまで、対応してまさにマルチ素材なわけです。」「これは、当研究所で研究をやっているアホウドリですが、日本で生まれた絶滅危惧種のアホウドリがベーリング海、アメリカ大陸の方までいってですね、衛星で追跡したデータですが、世界をまたにかけ海から空まで暮らしていて、これがまさに鳥の特徴であり、かつそれを成し遂げるのは羽があるからです。」
「さらに色の話をすると、からだの場所によって色が違うわけです。」

「この色がどのようにして出ているかというと先ほどでも話したように、主にメラニン、カロチン、構造色ですが、メラニン色素というのは、人間の髪の毛です、若いとき黒髪が年を取ると白くなるかというと、髪の毛の中にあるメラニンの色素の量が減っていくわけです。」
「毛根の下のことにメラサイトという色素を構成する部分があってそこから生み出された色素がどんどん入っていくわけですけれども、ここに異常があるとすると鳥も同じでここに色素が入らないとアルビノと呼ばれる白化個体になってしまいます。」

「メラサイトの細胞が活発に活動して、羽が生えて伸びていく途中で羽の中にメラニンがどんどん入っていって充てんされていくわけです。」
「そうすると、茶色の粒がつまっている、黒い粒がつまってくる。すると、毛や羽が出来るとおのずと色がつくわけです。」
「カルチノイドも同じようなパターンで、赤い系統の色素が中に入った場合がそうなる。」

9 構造色について
「じゃあ構造色はどうなのかというと。色素はいらないわけです。」
「構造色は特殊なものかなと思われがちですが、皆さんの周りもたくさんあります。」
「例えば牛乳ですこれは、牛乳の脂肪分が、コロイドで均等にバランスよく並んだ液体の中に物質が並んだ状態。」
「脂肪分の粒粒が水中にまんべんなくきれいにバランスよく並んで存在しているがゆえに光があらゆるところに散乱するのです。」
「だから白く見えるのです。」「雲も同じです、空気中浮いて水分が、太陽からの光が当たって散乱するから、見える種類です。」
「さらに青空や、夕日も構造色。大気中の分子に光が当たると一部の光が強められて、一部の光が弱められる。こういうメカニズムで光に入ってくる角度によって青になったり赤になったりしている。」

「これは生きものも同じで、今回も展示しているモルフォチョウの場合です、こういう棚構造、ヒシ構造、と呼ばれる、小さなひだひだが羽の鱗粉の上にあります。
タマムシもこういう膜構造になっています。翅を切ると断面図はこうなっています。で屈折率は違う」
「膜の上に光が当たると、それぞれの膜で一部の波長は反射して、一部の光は反射しないようになって、お互いを強め合って、結果いろんな波長のうち青い成分だけが強く出て、他は弱まってでないということで青く見える。」

「前話した色素の色だと太陽の光が葉っぱに当たると、いろんな光が吸収されて緑だけが残って緑になるよと話しをしました。」
「構造色の場合は、吸収ではなくて、光が当たるんですが、今は話したような、複数の膜を複数の多層膜という構造なんですが、一部の光、具体的には、青緑色の色が強められている。」
「他の色は、とどくのが弱かったり成分が弱かったり、相対的に緑の成分が眼にとどくことで緑が見える。」

「鳥も同じで、ハトやカワセミなどの羽の中にはケラチンの粒粒の中にメラニンが入っています。その見え方によって虹色、非虹色と呼んでいますが、この膜の層構造で発色している代表的なのがドバトです。」
「このドバトの羽は面白くて同じ場所が光の当たる部分によって緑であったり紫であったりするんです。」
「で同じような層構造を活用した技術製品が、今回展示されているタマムシ模様の塗装技術であったり展示してあったドレスだったりするわけです。」

「じゃそうじゃないタイプの色についてですが。」
「構造色は、鳥と虫なんかと違う特徴があります。メラニンの粒粒が色を発するということです。」
「メラニンは黒い成分ですけれども、この黒くて小さな粒粒ですが、このように規則的に並ぶと、あまりにも規則的な並びのよさと、ちょうどよい大きさで、光の波長と、この波の大きさの粒粒の大きさが、ちょうどその波長だけが強められてはね返り、他はうしろに抜け違うところにいきます。」
「これが違う鳥、羽を切ったところですが中に黒い粒粒があることがわかります。これはクジャクの例です。」

「これは今回展示している七面鳥で、七面鳥の羽も面白く角度によって色が変わる。中に粒粒があって金属的な色に変わります。」
「これはある小さなものが規則的に配列しているフォトニック結晶といいますが、フォトニック結晶的なものを持っていることによって発色しているという色です。」
「これはムクドリの羽です。」
「こういうものを応用した技術が研究の最前線で、開発されてきています。」「今回展示にだしているものは何かというと、ポリドーパミンの配列をうまく並べてあげると色が出て、粒粒の大きさを少し大きくしたり小さくしたりあと配列の間隔を広くしたり狭くしてあげるといろんな色が調整できます。」

「結果見本のように、非常に鮮やかなきれいなギラギラした鮮やかな色が今まさに開発されてきている。」
「他にも全然違うメカニズムを鳥は持っていて、メラニンの粒粒じゃない例です」。「ケラチンのスポンジ状の構造によって色が出るパターンもあります。これはなにかというと、羽の断面の部分ですけれども繊維の一本一本の断面、一本のまるい半分の断面ですが、羽の半分の断面みたいなものがあって、その内側これがスポンジ層と呼ばれているパーツです。」
「拡大するとこのようになっていまして、凄く小さいですね。」

「この粒粒によって色がでる。昔これは、雲と同じ散乱現象とよばれていました。光が当たると青い空のように青い成分だけが散っているといわれていました。」「実はそうではなくて、散乱ではなくメラニンのように小さなものがある一定距離で、定期的に周期的に配列している規則のあるメカニズムだということがわかったのです。」

「散乱というのは、規則性がなく適当にバランスも散り散りに粒粒が浮いている状態です。規則的に粒粒が並んでいるということが分かったのです。しかもそれは、クジャクの羽なんかを見ていただいたような金網なんかのところに粒粒が並んでいるのではなくて3次元の立体的に並んでいる。このあみがどの角度に傾けても、ある角度から、どの角度でも、金網の網目が必ずその、部分、一定間隔になる。非常に複雑な構造をしている。」
「ちょっとイメージつかないですけれど、凄く繊維が太い金網をかんがえてください。金網を1枚敷いたたいらな面では一定ですけれど 、回したら粒はないですよね。」
「その金網をぐしゃっと、団子状にすると金網の一本の繊維が、あったりなかったりの状態になります」「スライスしたら、その繊維がどこを切っても一定の距離で常に出てくるというも、ミクロンオーダーで調整されたものを鳥の羽の中で作られている。」「というのが10数年前からわかってきている新しい研究成果です。」「これは生き物は作れるが、人間には作り出せません細かすぎてできません。」
「これはいま理論を研究している状況でまだ再現できるところまではいっていません。」「だけど将来もしかしたら、応用できるようになるかもしれません。という先進的な話ですね。」
「この辺の色は、展示された、ルリビタキですとかカワセミの背中の色がこの構造色で出ています。」


「このように色もバイオミメティクスの1分野として非常に研究されている分野です。」
「その中でも、鳥は虫と重なる共通している部分もありますが、鳥ならではの部分その背景には複雑なメカニズムあって。そのメカニズムを探る基礎研究から、製品や技術や開発につながる、応用研究がすすんでいるというのが実際というところでしょう。まさに進行中の研究分野です」
と講演を締めくくった。
取材にご協力いた山階鳥類研究所の森本 元 先生にご感謝申し上げます。
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