日本では北海道に分布する。岩手県での記録もあるが、現在は絶滅している可能性が高い。国外ではロシア極東域に広く分布。平野部および湿地を流れる河川(中・下流)および細流の砂泥底中に生息。産卵は平瀬の礫底上で行われる。アロザイム分析により近縁種のカワヤツメ(L.
japonicum)、スナヤツメ(L.
reissneri)と判別可能。形態的特徴では、背鰭・尾鰭の黒色素胞分布や歯列、筋節数により近縁種から識別可能であるが、幼生個体においては、カワヤツメと判別が困難な場合もある。近年の河川開発による育成場の喪失および土砂流出による産卵床となるべき礫底の埋没、および水質汚濁による個体数・生息地の減少が危惧される。水産庁のデータブックでは希少種とされている。
環境省 レッドデータブック”タナゴ” より引用