この本を手にとってまず目に入るのが帯の、”自然史を学ぶ−すべては標本はじまる”という言葉、標本というとどうしても死を連想しネガティブな印象を受けてしまう人も多いようですが標本から多くのことを学び自然史の根幹になるのが標本だということを教えてくれる一冊です。本書の内容は、標本の作成方法や撮影、保管方法までを生物別にわかりやすく解説しています。興味深いのは、標本と一言でいってもさまざまな標本があるということを教えられた点です。たとえば今すぐに動き出しそうな博物館に展示されている標本以外にも仮剥製標本、液侵標本、骨格標本、DNA分析標本など、これらを基にさまざまななことがわかるのだと思うと奥の深さ感じるは私だけではないはずでしょう。ちなみに、絶滅生物の標本をアーカイブすると決めたときに幾度となく博物館に足をはこびどのように活動を進めようか悩んでいたときにてとったのがこの一冊です。標本の扱い方から撮影方法までを網羅している本書はこの私の活動のバイブルになっています。
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