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日本産唯一のコウヨウザンカズラの標本を紹介

環境省版レッドデータリストには生物の絶滅した種が数多く記載されている。特に維管束植物はその数も多く33もの種が絶滅種として記載されている。それらの種は絶滅ゆえにその標本は限られ中には情報すらあまり知られていないものもあるのだ。

このコーナーで紹介するコウヨウザンカズラもその中の一つ。標本などの情報がこれまであまり知られていなかった種だ。

コウヨウザンカズラは研究のために採取されたのみでその存在はあまり知られていないという国内では幻の種だ。当然その標本の情報も限られ国内でも唯一の標本が現在国立科学博物館(植物研究部)しか収蔵されていない。

今回は国立科学博物館植物研究部の海老原淳先生に協力いただきコウヨウザンカズラと標本のことについて伺えたので紹介していこう。

コウヨウザンカズラ収蔵の経緯

貴重な標本であっても収蔵施設の移転などに伴い収蔵先が移転することは決して珍しいことではない。コウヨウザンカズラの標本についても例外ではない。この点についてお話を伺った。

「まずこの種の日本産の標本に関してはこの一点の標本しか存在していなくて、ここ国立科学博物館植物研究部にあるもののみしか知られていません。この標本が、ここ(国立科学博物館 植物研究部)に収められた経緯ですが、もともとコウヨウザンカズラの標本は東京教育大学に収められていたものです。」

「その後、東京教育大学が筑波大学になると、この標本も同時に移管されました。筑波大学は標本管理についてスペースの余裕がないなどの問題もありここ30年間はビニールにぐるぐる巻きにされた状態で厳重に保管されるのみで資料を整理し誰もが見られるような状況ではなかったようです。」

「去年、筑波大学の標本が科学博物館に移管することになり整理していたかなでこのヨウコウザンカズラの標本を発見することが出来たのです。」

「標本には、東京教育大学、筑波大学の登録ラベルそして科学博物館それぞれの標本ラベルが付けられその標本の収蔵先の歴史を知ることが出来ます。」

「そしてこの標本がここに来るにはこうした経緯があり。ここに来てようやく多くの人がその存在を知ることが出来るようになりました。」

コウヨウザンカズラ標本がなぜ国内には一点しかないのか

コウヨウザンカズラの採取場所はかなり特殊な場所であったために標本は一点しか存在していない。この点についてお話しいただいた。

「コウヨウザンカズラは、1966年に当時シダを研究していた学生の方が採取されたものです。この方が、大学の研究室でシダを研究されているとき鹿児島県の奄美諸島にある川に採取にいかれました。この川は、珍しい種があることで知られています。この川に出来たダムに水没した立ち枯れの木の水面上4mほどのところに着生していたようです。」

「当初、コウヨウザンカズラとはみなされてはなく、日本にある別のスギランとみなされ同定されたのですが、明らかにそれとは特徴が違うということでコウヨウザンカズラだと採取したあとで同定されました。」

「このように標本にしたあとはじめて日本産のコウヨウザンカズラであると判断されたため、結局今までに知られている確実な日本産の標本はこれ一点のみで現地に行ってもその後見つからないということです。」

「ダムの中の立ち枯れた木ですからそれは見つからないはずです。」

「この種はもともと台湾で見つかった種です。ですから台湾にはもちろんほかの標本の情報はあります。しかし日本で採取されたものはこの一点しかないのです。」

「標本の情報がこれまで出てこなかったのは先ほどお話したとおり筑波大学にあったものがこのように利用できる環境になかったからです。」

博物館の役割

「他のところで収蔵されていたものが科学博物館に移管されることで今回のように様々な発見などがされることがあります。」

「小さな標本庫などでは管理が行き届かずに整理できていない貴重なものが知られず収蔵されているものを整理しなおすことで非常に貴重なタイプ標本を見つける場合もあるのです。」

「科学博物館ではこれら標本資料の管理にまとまった人がとり組むことが出来る環境に今はあります。収蔵されたものを整理し、このようなものがここにあるとはっきりすれば多くの方に知っていただくことができます。」

「このように科学博物館では多くの寄贈された標本や移管された標本などもおおく収集し整理することで今回のようにコウヨウザンカズラも知ってもらえることが出来るようになったのです。」

と語っていただいた。

今回はあまり情報がなかった国内に一点しかないという絶滅種のコウヨウザンカズラの標本を紹介することで絶滅した植物がどのようなものであったかを知ってもらうことが出来たのではないだろうか。

このような絶滅種を作らないためにもこれらの存在を知り多くの方に関心を持ってもらえれば幸いである。


協力いただきました国立科学博物館、植物研究部 海老原淳先生に心よりお礼申し上げます。



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