江戸時代(18世紀中頃)までは、日本のほぼ全域(北海道南部〜九州北部)から記録されていたが、明治時代に乱獲された。明治時代末に狩猟の対象から外されたが、大正時代末(1920年頃)には絶滅したと考えられていた。1932年に新潟県佐渡で再発見され、天然記念物に指定(1934年)されたが、その後も減少し続けた。1945年に島根県隠岐地方で絶滅、1970年石川県能登地方で絶滅、1981年に新潟県佐渡にいた5羽が飼育繁殖のために捕獲された。この結果日本から野生個体は絶滅した。その後の人工増殖も成功に至らず、2001年末現在、高齢のメス1羽(キン)が飼育されているのみである。
全長76cm、翼開長は130cm余り。体は全体が橙色を帯た桃赤色(朱鷺色)で、顔は皮膚が裸出していて赤色。脚も赤色。嘴は湾曲していて長く、黒色で先端のみ赤色。虹彩は橙色。後頭に体と同色で長めの冠羽を持つ。アジア東北部に、似た体形、色彩の鳥はいない。
アジア大陸東部の、ロシアのウスリー地方、アムール地方、中国東北部から中部にかけてと、朝鮮半島、日本に分布していた。