マツシマクチミゾガイ
本種は微小種で、貝殻の殻底に3個の襞をめぐらす。その分布は本州の山形県、長野県などで10ヶ所しか知られていない。湿った森林の落葉層や腐った朽木に付着しているのを見つけることができる。
貝殻は微小(殻高2.2mm、殻径3.5mm)、低円錐形状。螺層は5層。臍孔は広く、殻径の5分の1に相当する。殻口内の体壁板は2本、外側のそれは唇縁にまで表れて高いが、内側のは低い。殻底襞は3個で、殻軸からの第2襞(真ん中)がもっとも大きい。これらの板や襞は斜観によって殻口内に見ることができる。
山形県米沢市白布高湯(模式産地)ほか、山形県下で2〜3ヶ所、福島県下で1ヶ所、新潟県下で2ヶ所、群馬県下で2ヶ所、長野県下で2ヶ所など総計10ヶ所しか分布域が確認されていない。いずれも標高1,000m前後である。分布情報:2次メッシュ数:14、3次メッシュ数:19(生物多様性調査動物分布調査)