タカ目 タカ科
オジロワシ 学名 Haliaeetus albicilla albicilla
サイズ 全長 900mm (参考)
北海道の海岸や湖沼周辺で繁殖する大型のワシ。魚類や水鳥を餌にし、冬期は漁業活動から供給される餌にも依存する。冬期にはロシア極東で繁殖した個体も渡来し、北海道や本州北部で越冬する。北海道の営巣地はやや増加傾向にあるが、繁殖は必ずしも安定していない。
大型のワシ類で全長69〜92cm。翼開長200〜245cm。メスはオスより大きい。成鳥は全身が茶褐色だが頭部から胸にかけてクリーム褐色。尾羽はややくさび形で白い。嘴は黄色。脚と虹彩も黄色。雌雄同色。若鳥は全身褐色から黒褐色。嘴は灰黒色で年齢が進むにしたがって黄色みを増す。オオワシ(H.
pelagicus
pelagicus)とは羽色の違いのほか、嘴がやや小さいことや尾羽が扇形に近いこと、飛翔時に翼が一枚板のように見えることから見分けられる。
旧北区のヨーロッパ、西アジア、東アジアに分布。極東ではロシアのカムチャツカ、サハリン、沿海地方、千島列島、北海道で繁殖。冬期は本州北部から中部にも渡り、まれに九州、琉球列島などに飛来する。
海岸や湖沼周辺、河川流域の大木に直径90〜180cm、厚さ40〜200cmの巣を作る。営巣木はイタヤカエデ、ダケカンバ、アカエゾマツなどさまざまである。一腹産卵数は1〜3個で2個の場合が多い。抱卵期間は38日前後、北海道では3月中旬に産卵し5月上旬に孵化する。幼鳥は6月下旬〜7月下旬に巣立つが、巣立ち後さらに1ヶ月以上親鳥から給餌を受ける。営巣期の餌は海岸の巣ではカモメ類やミズナギドリ類などの海鳥類、スケトウダラなどの海産魚類で、湖沼周辺の巣ではカモ類やウグイなどの魚類である。海岸では漁船が捨てる雑魚も餌にしている。秋には成鳥、幼鳥ともにサケ・マスの遡上する河川に見られ、サケやマスの死体を餌にする。冬期はロシア極東で繁殖期を過ごした個体が北海道に渡来し、オオワシとともに海岸や湖沼に多数見られる。厳冬期の餌は魚類や水禽類のほか、漁業活動から供給される魚にも依存している。
北海道の営巣地は1990年代に入ってやや増加傾向にあり、1999年現在確認されている営巣地は56ヶ所である。冬期北海道と本州北部で越冬するオジロワシは550〜850羽で、1980年代から90年代への越冬個体数の変化はオオワシほど大きくない。極東全体の正確な個体数は不明である。
環境省 レッドデータブック より引用
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