マダラナニワトンボ
京都、和歌山を基産地とし、その後、近畿、中国、東海、北陸、東北の各地方にも分布することが分かった。中部以北の記録地は日本海側である。生息地はもともと限られていたが、近年急速に減少し、後述の如く絶滅した県がかなり多くなっている。
体長30mm内外で黒地に黄色の斑紋がある。未熟個体ではナニワトンボ(S. gracile)と似ているが、成熟すると黒化する。両種はムツアカネ(S. danae)とともに赤化しないアカネ属(Sympetrum属)のトンボである。
最近激減しているトンボの中でもベッコウトンボ(Libellula angelina)と並ぶ代表的な種で、2000年現在、絶滅した地域は福井、京都、奈良、大阪、岡山、鳥取、広島の7府県にのぼる。三重、滋賀、兵庫も各1ヶ所しか産地がなく、すでに西日本ではほぼ壊滅状態といえる。中部日本でも激減しており、5ヶ所以上の生息地が残っているのは、岐阜、石川、新潟、山形の各県に限定される。