タカ目 タカ科
クマタカ 学名 Spizaetus nipalensis orientalis
採取年月日1989年1月16日 サイズ 全長 110mm (参考)
採取地 滋賀県
三島池ビジターセンター 収蔵標本
大型の猛禽類で、北海道から九州までの山地の森林に分布し、急傾斜地の大木に営巣する。ノウサギを主な食物とし、テン、ヤマドリ、シマヘビなどの哺乳類や鳥類、ヘビ類を林内や林縁で採餌する。全国での生息数は1,000羽以上で、人為攪乱などのため、近年、繁殖率の低下が報告されている。
全長オス約72cm、メス約80cm。大型の猛禽類であるが、翼は短く翼開長は比較的小さい。オスよりメスの方が大きく、頭から背、翼の上面は黒褐色で、下面は白に近く、喉から胸には黒い縦斑があるが、若鳥の体下面は白い。翼の上面はほとんど褐色で、風切羽には不明瞭な黒褐色の横斑があり、翼の下面は白地に黒い横斑が一面にある。尾羽には白と黒褐色の縞模様がある。後頭部の羽毛はやや長くて、冠羽状になる。
種としては、スリランカ、インド南部から中国東北部、朝鮮半島、日本にかけてのアジア南部から東部にかけて分布する。本亜種は、日本と朝鮮半島に分布するが、朝鮮半島での生息状況は不明である。
九州以北の山地のよく茂った森林に生息し、巣は急傾斜地の大木に作る。本州では針葉樹の高木の分岐点に枝を積み上げて作るが、北海道では落葉広葉樹での営巣がほとんどである。本州中部では標高500〜1,000mくらいにすむ。普通は雌雄で生活し、縄張りは13〜25km2で20km2前後が多い。食物は中型以上の鳥や哺乳類等で、主としてノウサギ、ヤマドリ、ヘビ類等である。造巣は1〜2月で3月頃に産卵する。卵は4〜5月に孵化し、雛は7〜8月に巣立つ。イヌワシ(Aquila
chysaetos japonica)と異なり、森林内で過ごす時間が長い。
|