未記載ではあるがAcheilognathus tabiraの1亜種で、九州の中・北部に分布する固有亜種。ヤリタナゴ(Tanakia
lanceolata)に似た体型で全長60〜90mmになる。琵琶湖には別亜種のシロヒレタビラ(A. t. tabira)、山陰にはアカヒレタビラ(A. t.
subsp.)を産する。本亜種の幼魚と若魚およびメスの成魚は、背鰭に楕円形の黒斑を持つので、これらと区別できる。産卵期は2月下旬〜8月で、マツカサガイやカタハガイの鰓に卵を産みつける。元来、カゼトゲタナゴ(Rhodeus
atremius
atremius)に比べて分布域は狭く、生息個体数も少ない。佐賀県下ではほとんどその姿を見ない。福岡、熊本県でも生息が厳しくなりつつある。