最大全長200mmの降河回遊魚で、日本では有明海湾奥部、諫早湾とそこへ注ぐ河川にのみ分布する。仔稚魚は、春に潮位差が大きい沿岸や感潮域で浮遊生活を行ってから、5〜7月に川へ遡上し、夏はさほど移動せずに成長する。肉食性。秋には成熟しながら川を降り、翌年2〜3月に沿岸で二枚貝の空殻などに産卵する。多くは年魚。近年は河口近くに治水や利水を目的とする堰ができたため、稚魚の遡上が阻害され、感潮域で成育する個体だけという川が多い。地理的分布域が狭いこと、アユ(Plecoglossus
altivelis
altivelis)がいるような中下流に現在はすみ難いこと、干拓により生息域が縮小したことなどは、本種にとって大きな脅威である。