種オオアカゲラ(Dendrocopos
leucotos)の中で最大の奄美大島のみに生息する固有亜種で、羽毛が著しく暗色であることによって他の亜種とはっきりと区別される。分布域が限られ、営巣やねぐら穴のために大径木を必要とする。人里での営巣記録も多いが、そこではほとんどの巣立ち雛がハシブトガラス等に捕食されていると推定され、大径木のある照葉樹天然林内の少数の巣だけで有効な繁殖が行われていると思われる。
全長約30cm、翼長152.5±2.9mm(n=22)。背面は黒く、翼に小さい白斑を有する。頬から胸にかけて濃褐色、腹部は赤く太い黒色縦斑を有する。嘴は黒灰色。オスの頭部は赤い。
翼と尾や嘴など各部位との相対的な大きさを基準にすると、長い尾や細長い嘴をしていることから、本亜種は他の個体群よりも柔らかい木をつついているらしいと推測され、暖かい奄美大島の枯木や枯枝が腐りやすい森林に生息することと合致する。