有明海に注ぐ筑後川と緑川のみに分布する日本固有種。主に感潮域上流部の淡水域にすむ。年魚で砂地で産卵すると考えられる。筑後大堰の建設はこの魚の生息域を狭め、また、淡水の取水量が増えたことはその生存を脅かしている。農薬など化学物質の流入や富栄養化も、本種の減少に影響したであろう。緑川は元来、生息量がきわめて少ない。
体長40〜60mmでヒメシラウオ属中もっとも小さい。背鰭鰭条数13〜14、臀鰭鰭条数23〜29、鰓耙数13〜14、脊椎骨数52〜56。幽門垂はなくオスの臀鰭基部に鱗が並ぶ。体は細長くやや側扁かつ頭部は少し縦扁するが、その程度は他のシラウオ科より弱い。吻は丸く下顎は上顎より長い。下顎前縫合突起がない。両顎には微小な歯を備える。体は無色透明。オス成魚はメスより頭が大きく、体高も少し高い。