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 特別版 土壌&植物

魚類 絶滅危惧(CR)

ミヤコタナゴ

 

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採取地別標本

魚類

絶滅危(CR)

ミヤコタナゴ

東京都文京区小石川の東京大学附属植物園内の池で採集された個体に基づいて1909年に新種として発表された日本固有種で、かつては関東地方に広く分布していたが、東京都、群馬県、神奈川県では野生下ではすでに絶滅し、埼玉県産も絶滅寸前である。自然状態では、千葉県、栃木県の数ヶ所で細々と生き残っている。主な生息地は丘陵地の湧水水路、扇状地末端部の湧水池やその流出水路。体長30~40mm。食性は動物食に傾いた雑食で、底生小動物や付着藻類などを食べる。オスは産卵期に美しい婚姻色を呈する。水田の圃場整備事業などにより生息地は急激に消失し、観賞魚として密売されることも減少に拍車をかけている。

 

背鰭9~10軟条(iii+8~9分岐条)、臀鰭9~10軟条(iii+8~9分岐条)。縦列鱗数34~36。側線不完全。体高比(体長/体高)2.5~3.1。口角に1対の髭がある。鰓蓋上端後方に明瞭な1暗色斑がある。オスの婚姻色は明瞭で、とくに体側の紫色と背鰭の白帯、臀鰭、腹鰭の淡黒、朱赤、暗黒の帯模様と胸鰭、尾鰭、尾柄部の朱色は鮮やか。染色体数は2n=48。

 

近似種はヤリタナゴ(T. lanceolata)とアブラボテ(T. limbata)。小型のヤリタナゴは本種と見誤ることがある。ヤリタナゴは尾柄が長く、鰓蓋後方の暗色斑が不明瞭であり、また幼魚期に側線が完全となる点で区別される。アブラボテとは分布が重ならず、臀鰭条数(iii+10~11)の多い点で区別できる。

 

環境省 レッドデータブック”ミヤコタナゴ” より引用

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