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 特別版 土壌&植物

魚類 準絶滅危惧(NT)

エゾトミヨ

 

 

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採取地別標本

魚類

準絶滅危惧(NT)

エゾトミヨ

 

日本では北海道のみに分布し、天北原野、根釧原野および石狩川水系の3地域に局所的に分布する。国外ではサハリンに分布する。体長は50~70mm程度。体型は棒状で、尾柄部が高い。体側の鱗板列は不連続で、尾柄部にのみ存在する個体が多いが、胸部に存在する個体も少数いる。鱗板数は3~12の範囲にある。背鰭棘は短く、9~13(モードは10)本である。湿地帯と低地帯を流れる河川と沼などに生息するが、生息地の特徴は、平地性の大きな河川があり、その下流に広大な湿地帯あるいは低地帯が発達していることである。成魚はとくに水草などが繁茂する場所を好む。淡水域で一生を送る生活史を持つ。産卵期は4月上旬~7月中旬。流れの緩やかな細流の川岸で、オスが水草の枝を支えにして細い根の切れ端や葉の繊維などを集めて俵状の巣を作り、そこへメスを誘い入れて産卵する。卵は孵化までの間の約2週間、オスによって保護される。成熟には2年を要し、寿命は2年であるがメスの一部は3年まで生きる。生息域の3地域はそれぞれ山地によって分断されており、近年、湿地の埋め立てや河川の護岸工事により生息域は縮小している。また、近年に移殖・定着したニジマス(Oncorhynchus mykiss)などの外来性捕食魚の分布域拡大と個体数増加も、存続を脅かす一因になっている。生息域の縮小にともない個体数も減少傾向にあるが、特別な保護対策はなされていない。他の日本産トミヨ属魚類と比べて成魚の塩分耐性は低く、海を介しての分散は困難であるため、各地域個体群は互いに隔離された状態を維持しており、明瞭な遺伝的集団構造を呈する。

 

環境省 レッドデータブック”エゾトミヨ” より引用

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