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展示会レポート 

第33回企画展 

「シーラカンスの謎に迫る −ブラジルの化石と大陸移動の証人たち−」 レポート

開催期間:2009年7月11日〜8月30日
開催場所:群馬県立自然史博物館

群馬県立自然史博物館にて第33回企画展 「シーラカンスの謎に迫る −ブラジルの化石と大陸移動の証人たち−」が7月11日から8月30日の期間で開催されている。

シーラカンスの仲間は古生代から中生代にかけて多くの種類が生息していたことが産出した多くの化石からわかっていたが、1900年代に捕獲されたことで、現代でも生きていることがわかり、「生きた化石」と呼ばれるようになった。

今回の企画展ではそれらシーラカンスの生きた時代とシーラカンスが生息していた時代に地球ではどのような大陸の変化が起こっていたのか現生のシーラカンスの発見とその謎に迫りながら解説展示されている。

今回企画展第1の注目はシーラカンスの進化を学べる点。1番古いシーラカンスの化石として知られているものから現代までのシーラカンスの進化を実物の化石標本を見て知ることがこの企画展の核になっている。


会場入口付近全景


企画展エントランスでは、人類と生きたシーラカンスの出会いについて紹介。さらにメインとなる会場ではシーラカンスの1番古い化石からだんだんと現代に近い化石を順に並べ展示しその進化の謎に迫っている。

また大西洋が出来初めの頃にシーラカンと同時代に生きていた魚類の化石を一同に紹介し、シーラカンス最後の化石が発見された頃の海洋の様子も紹介している。展示後半では日本でのシーラカンスの研究の歴史を紹介しているコーナーも展示されていた。

今回の企画展を担当された木村敏之先生に解説と見所をお聞きすることが出来たので紹介しながらレポートしていこう。


1 シーラカンスの魚拓とイントロダクション

「初めに見てもらいたいのは、シーラカンスの大きさを知ることが出来る現生のシーラカンスの魚拓です。シーラカンスを写真やイラストなどで見る機会は多いかも知れませんがそのようなものでは実際の大きさはわからないのではないかと思います。また生きた化石と呼ばれるものの中でシーラカンスの大きさは特に特出すべきサイズです。こんな大きなものが長い間発見されず生き原始的な形をしていることがこの魚拓からもわかると思います。シーラカンスの特徴でもある鰭がしっかりわかります。」

「この大きさが生きた化石とわれインパクトを与える理由かも知れません。これは展示ゲートの前に展示してあり見逃されがちなのですが目玉の1つです。」
「鰭の作りと全部で10個ある鰭もよくわかると思います。」

シーラカンスの魚拓

シーラカンスと記念写真も撮れる


シーラカンスの発見と人々

はじめのコーナーでは人類と生きたシーラカンスの出会いについての紹介だ。化石と現生のシーラカンスのレプリカを比較することができ、形態がほとんど変化していないことがわかる。ここでは現生のシーラカンスの発見に関わったラティマーさんに触れ紹介。またはじめて捕獲されたシーラカンスの剥製から抜き取られた鱗を展示していた。


現生のシーラカンスと白亜紀前期のシーラカンス

ホロタイプの鱗


「この鱗はただ単にシーラカンスから抜き取られたという標本ではなく、はじめて捕獲され標本にされたホロタイプの鱗でシーラカンス研究の歴史的にも貴重なものです。この鱗の標本ですがなかなか2個体目のシーラカンスが見つからなかったので、シーラカンスの記載論文を発表し世の中にシーラカンスの存在を発表したスミス博士が、この鱗を持った魚がいたら教えてほしいと世界の魚類研究者に配ったものです。少しでも手がかりをと1950年に京都大学の松原喜代松博士に送られています。それから2年後に南アフリカのコモロ諸島で2個体目が見つかっています。」と解説いただいた。



シーラカンスの発見コーナー

ホロタイプの鱗


シーラカンスの剥製写真と鱗

インドネシアシーラカンスの解説

インドネシアシーラカンス

「また展示の後半でも紹介していますが現生のシーラカンスは南アフリカのものと1997年にはインドネシアで発見されたものと2種類のシーラカンスが生息していることが知られています。このイントロダクションではインドネシアシーラカンスが雑誌ネイチャー誌の表紙を飾ったものを展示しています。」
「また、インドネシアではインドネシアシーラカンスの保護がかなり行われていて実際に現物が手に入るのが難しくなっています。そのことをあわせて展示で紹介しています。」

大陸移動とシーラカンス

このコーナーでは、大陸移動がシーラカンス類の進化を知る上でどのように関わっているかを知ることが出来る展示になっている。


「大陸移動とは」コーナー

大陸移動の証拠になる生物の化石
「大陸移動は様々な生物に影響を及ぼしています。その中で現生のシーラカンスの進化を知り、たどる上で大陸移動の結びつきがわかると言うことにスポットを当てている展示です。」

「例えば現生で最初に見つかったのがコモロで、次に見つかったのがインドネシアです。現在の距離で1万km以上はなれた地域で見つかっています。これは何を意味しているかですが、かつて大陸移動が起こる前の環境と絡めて生息域を見ていくとかつては近い生息域で暮らしていたことを知ることが出来るのではないでしょうか。」

「その後大陸移動により両者の生息域が分断され今現在このようにわかれて生息していることがわかってきています。また、化石のシーラカンスの見つかった分布をたどっていくと、大陸移動に上手くあったような形で種分化がおき、その化石が見つかっています。このようにシーラカンスも長い年月をかけて起こった大陸移動の証人なのだということがわかります。これは最新の研究からわかったことです。」

シーラカンスの体

「シーラカンスの体ですが頭蓋骨が2つにわかれていて、その間には関節がある。尾鰭が直接脊柱から出ているなどがシーラカンスの特徴です。」


シーラカンスの体

シーラカンスは子供で生まれる

「次にシーラカンスの卵胎生の解説です。アメリカ自然史博物館のスミス博士が解剖したシーラカンスから、大きな卵黄嚢の発達した胎児が発見されました。このことからシーラカンスは卵胎生であることがわかったんです。」

シーラカンスに近い種、肺魚の生態展示

シーラカンスに近い種、肺魚の生体展示大陸移動の証人でもある肺魚3種が生体展示されている。


生きている化石 ハイギョを紹介

ネオケラトドゥス・フォステリ


プロトプテルス・ドロイ

レピドシレン・パラドクサ

生きた化石コーナー

「生きた化石のコーナーでは、現在知られている生きた化石を紹介しています。中でもラブカなどは駿河湾から上がったのを耳にすることがあるのではないでしょうか。これも古生代から同じようなサメが見つかっています。あとメタセコイヤも先に化石が見つかって現世での生息が見つかったのもとして知られています。」

生きた化石を紹介する展示

中央上ラブカ

復元された史上最大のシーラカンス

全身が3.5mある世界最大のシーラカンス(マウソニア・ラボカティ)が目を引く。

「見つかっているシーラカンスの化石だと数十cmぐらいのものが多くまた現生のものでも2mほどですのでこのマウソニア・アボカティがいかに大きいかがわかるかと思います。」
「これは化石の複製ですがこの種は淡水にすんでいたものでプランクトンを食べてここまで大きくなるのですね。」

世界最大のシーラカンス マウソニア・ラボカティ

「実際に見つかっているのは頭の一部分だけなのですが同じマウソニア属の全身が保存されている化石を参考に見つかっていない部分を復元しています。このように同じ種の全身がわかる化石が見つかったおかげでこれだけの全身骨格の復元することが出来たということです。」

「復元の参考にされた化石がこちらで展示されているマウソニア・ブラジリエンシスです。これは白亜紀前期の時代のものです。今回展示されているものは、2002年に制作されたホロタイプのキャストを展示しています。」



マウソニア・ブラジリエンシス

マウソニア・ブラジリエンシスの解説


2 シーラカンスの進化


古生代デボン紀  

「古生代デボン紀中〜後期に棲息していたと思われる最も原始的な特徴を持つシーラカンスのミグアシャイア。年代的には4億1000万年前からもシーラカンスといわれている化石は見つかっているのですが、この化石よりも前のシーラカンスは断片しかなく1番古いものもあごの一部でしかなく、原始的な体の特徴を1番捉えているもので確実に全身の形がわかってシーラカンスといえるものがこれです。ただ一般的なシーラカンスとは異なり後ろの第3背鰭はなく尾鰭は真ん中ではなく上の方にあります。現世のシーラカンスは、両側に鰭が付いていて真ん中に尻尾が付いているのですが、このミグアシャイアは第3背鰭がなく、尻尾がくっ付いているんですね。これが特徴です。」

このコーナーはすべて本物の化石が並べられている。


大陸移動のもう一つの証人コーナー

デボン紀のミグアシャイア右

石炭紀

「基本的には石炭紀から現在のシーラカンスとほとんど形は変わらず基本的な体形が確立されています。もちろん中には例外もあります。アレニプテルスなどは体高が高く大変変わった形をしています。」

石炭紀のシーラカンスを解説左

形に特徴があるアレニプテルス左

三畳紀

「三畳紀は化石のシーラカンスの中で最も繁栄した時代で26種類も見つかっています。これがマダガスカルで見つかっている化石でこの地域では多くの化石が見つかっています。今回も展示しているワイテイアや同じワイテイア属でカナダから見つかったものを見ることが出来ます。この化石はきれいな状態で見ることが出来るのではないでしょうか。」

最も繁栄した三畳紀

ワイテイア
「三畳紀時代のシーラカンス化石が多く見られる理由には、その時代の地層が見つけやすい場所にあることにも一因しているかも知れませんが、それよりもその時代多くの種類の分化がおき多様な種がいたことはそれだけ活発に活動が行われていること証明しているのではないかと考えていいのではないでしょうか。」

ジュラ紀

「ジュラ紀のシーラカンスはほとんど形が同じと言うことを見て確認していただきたいです。」

「この化石はドイツのゾルンホーフェンから産出したもので保存状態が非常によい点に注目していただければよいのではないでしょうか。このゾルンホーフェンですが始祖鳥の化石なども見つかっているところできれいな化石が見つかる場所では世界的にも有名な場所なのです。」

ジュラ紀の解説

産地ゾルンホーフェンのウンディナ

白亜紀

「最後に白亜紀です。ここでは白亜紀前期のシーラカンスのアクセルロディクチスを見ることが出来ます。」

「こちらでは、アクセルロディクチスの成長過程を知る化石を並べています。その大きさの違いで成長を見て取れると思います。」

「このアクセルロディクチスの化石は6個体見ることが出来るので化石による違いも見比べてみるのもよいのではないでしょうか」。

白亜紀前期のマクロポモイデス

アクセルロディクチス

「これは、ラブドデルマの卵黄を持った化石です。実際に卵黄から生まれたことがわかるものですね。」


大きさの違うアクセルロディクチス

卵黄嚢持った化石


ブラジル・アラリぺ台地の化石

「ここからがらりと変わって同じ白亜紀の頃、大西洋で泳いでいた魚たちの化石を紹介しています。特にブラジルのアラリペ台地と呼ばれるところがあるのですが、そこは化石の産地として有名で先ほどお話したドイツのゾルンホーフェンと並ぶ有名な産地として知られています。そこから見つかった化石を紹介しています。」

「そのかなでも特に注目してほしいのがこのラコレピスの化石です。この化石は生きていた当時の形を残す化石です。普通の化石は断片しか見つからずバラバラになるもが多いのですが、これはほぼ生きていたままの形を残し見ることが出来るとても珍しく貴重な化石です。是非見ていただきたい1点です。よく見ていただくと鱗の1つ1つがはっきりと識別出来るのも特徴ですねよく観察していただきたいものです。」


ブラジルのアラリペ台地の化石を紹介

形を残したラコレピスの化石

「この化石ですが化石になる過程で静かに早く堆積されたことと、やわらかい筋肉などが腐敗の初期段階でリン酸塩に置き換わる化学反応のおかげで固くなり形が崩れる前に早く置換したことで形を残しているのだと思います。」

3 大西洋が出来始めた頃の魚たち

世界最大のカラモプレウルスの化石


「これが軟骨魚類で原始的なサメの仲間でトリボドゥスの化石です。このサメは背鰭に棘があります。」

大西洋が出来始めた頃の魚たち

サメの仲間トリボドゥスの化石
「またこれも是非見ていただきたいものの1つカラモプレウルスですこの化石は世界最大のカラモプレウルスの化石で全長が1.5mもあるものです。この化石の特徴は大きさだけではなくよく見ていただくとわかるのですが、もう一匹の別の魚を呑み込んでいるようにも見えるものです。」

「この呑み込まれている魚はクラドキクルスですが、人によっては呑み込んだことが原因で死んでしまったのではといわれているものです。こちらの魚は現生に近い種が生きていていますがそれがアミアです。」


カラモプレウルス

クラドキクルス


「この呑み込まれたとされるクラドキクルスも大きく並べてその魚の化石を紹介しています。」

4 日本のシーラカンス研究

シーラカンスプロジェクト


シーラカンスプロジェクトコーナー

このコーナーでは、日本のシーラカンスの研究を紹介している。


シーラカンスプロジェクト解説

シーラカンスの映像を見ることが出来る
「シーラカンスプロジェクトですが福島県いわき市の小名浜にある「環境水族館」アクアマリンふくしまでは、シーラカンスの生態解明を目的に様々な活動が行われています。今回紹介している映像では2006年にシーラカンスの生きた撮影に成功した様子などを紹介しています。この撮影は、深海190mと言う深い海の中で水中自走式カメラを使い撮影しているのですね。」

「この映像からシーラカンスが普段どのようなところで生活をしてどのような泳ぎ方をしているかもわかるのではないでしょうか。」

日本に来たシーラカンスの歴史

「これが日本にはじめてきたシーラカンスのレプリカです。このシーラカンスは南アフリカのコモロ諸島のアンジュアン島の沖合、水深250mから捕獲され、1967年に当時の読売新聞社主正力松太郎氏にフランス政府から贈られたものです。このシーラカンスから日本のシーラカンス研究がはじまりました。実物は現在下関市立しものせき水族館で展示されています。」

「その隣にはインドネシアシーラカンスが並べられ南アフリカのシーラカンスと一緒に見ることが出来ます。」



日本初のシーラカンス

インドネシアシーラカンス
「この2種類のシーラカンスですが一部では色の違いを指摘される方もおられますが形態的な違いはありません。」

「しかしDNAの塩基配列が調べられその結果大きく違いがあることが知られています。
分岐年代を推定すると3500万年前といわれていています。ちょうどこの頃の年代を先ほど紹介した大陸移動と重ね合わせるとかつて近い地域に生息していたシーラカンスが大陸移動に関連し分岐していった証拠の1つといえるのではないでしょうか。」

「インドネシアのシーラカンスは現在保護されてほとんど捕獲されていません。ここに展示しているものはホロタイプのレプリカですね。」

シーラカンスの鰓から新種の寄生虫を発見

「日本に初めにやってきたシーラカンスは様々な研究者の方によって研究されました。その中で新種の寄生虫が見つかっていているのですがそのことを紹介しています。」

「これは、1972年に目黒寄生虫館の亀谷了博士によってシーラカンスの鰓から見つかったものです。ここではシーラカンスに関わる研究の成果としてその記載論文を展示紹介しています。」

「また子供たちにシーラカンスを描いてみようという用紙を使い実際に標本を見ながら鰭を描いてもらうコーナーを設置していますが大変好評ですね。」


新種の寄生虫発見を紹介

様々な資料を見ることができる

5 魚類化石を壁と床に展示

大西洋ができはじめた頃、白亜紀の地層から出た実物化石が600点並べられている。

壁にかけられたヴィンクティファー化石を探してみよう

「壁に並べられている化石には、先ほどの大西洋が出来始めた頃の魚たちで紹介した化石が数多く展示されています。」


白亜紀の化石が並べられた化石回廊

「比較的見つけやすい化石では、展示中央の下にあるヴィンクティファーの化石は比較的見つけやすいのではないでしょうか。そのほかにも紹介いている化石が多く並べられていますので是非とも特長を捉え探すのも楽しいのではないでしょうか。」


ヴィンクティファー化石(中央)

ペアになっている化石

「特にこのヴィンクティファーは縦長の鱗が特徴ですから探しやすいのではないかと思います。」

「それと、この下に展示しているものはすべてペアになっています。これは、1つのかたまりを2つに割っているからです。ちょうど凹型と凸型にわかれているのがわかるのではないでしょうか。そして最後に化石を採取した場所や採取の模様のスライドを使い上映し、どのような産地でとられているかを知ることが出来るようになっています。」

6 企画展「シーラカンスの謎に迫る」のポイントについて


企画展を担当されました木村敏之先生

「大西洋が出来初めた頃のシーカランスとその他の魚を見ていただいて実際に体で感じてもらう。」

「また来館されていただいたお客様の反応ですが、名前だけはよく知っていた生きものを実際に見ることでどのようなものであるかを理解し見ることが出来た。またシーラカンスは1種類だけしかいないと思っていらっしゃる方が多いのですが、化石を見てこんなに種類があることに驚かれていらっしゃる方もいます。シーラカンス=現生のシーラカンスと思っている方が多いようです。」
「そんな方たちにもシーラカンスの進化や種類の多さを知っていただきシーラカンスの謎を説き明かすことが出来る企画展だと考えています。」

シーラカンスを観察する子供たち

世界最大のシーラカンス

化石から伝えたいもの

「シーラカンスを通して地球と生きものがいかに深い関わりがあるか、またその進化の過程で大陸の移動がどれだけ影響を与えているかを知ってもらえる展示ではないかと思っております。」

「また生物の進化だけの問題ではなく地球規模で起こる大陸の移動などの関わり、そしてその時代に生きているその他の生物、食べたり食べられたりというそういう生息場の奪い合いなど、他の生物との関わりの上で生物は現在に至っているだと考え感じてもらえればうれしいです。」


シーラカンスの進化

生きた化石のメタセコイヤ


最後に

生きた化石として知られているシーラカンスだがその知名度とは裏腹にあまりその生態やどのように発見され研究されてきたのかはあまり知られていなかったのではないだろうか。今回の展示ではそれらシーラカンスの謎がその形態だけでははく生態そして進化の歴史を地球規模で解き明かしてくれる展示だった。

またシーラカンスは絶滅が危惧されている生きもでもある。今回の展示を通して生きものの不思議と絶滅の危機に瀕している生きものについても考えてはいかがだろうか。

ご解説いただきました木村敏之先生ありがとうございました。


第33回企画展 
「シーラカンスの謎に迫る」
-ブラジルの化石と大陸移動の証人たちー

会期:2009年7月11日〜8月30日

開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30まで)
詳しい休館日については直接お問い合わせ下さい
観覧料:一般/700円(560円)・高校・大学生400円(320円)・中学生以下無料(※( )は20名以上の団体料金です)

お問い合わせ 群馬県立自然史博物館  電話 0274-60-1200

この内容については、群馬県立自然史博物館の協力を得て掲載しています。
展示資料



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